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INTERVIEW · Spring 2026

映画とアートが響き合う場所

掲載:『Art Editor』2026年春号
インタビューより要約・再構成

長柄町の倉庫アトリエを拠点に、襖絵や屏風、キャンバス画、シルクスクリーン版画を制作してきた伴田良輔。その作品は映画の美術となり、映画のロケーションからは新たな絵が生まれる。伴田にとって、美術と映画は一つの視覚芸術としてつながり、互いに刺激を与えながら、次の表現へと広がっている。

2021年、文化庁の芸術家支援制度で制作した最初の映画『森へ island』が海外の映画祭で受賞したころから、倉庫アトリエには海外からも人が訪れるようになった。映画を通じて房総に興味を持ち、遠くから足を運んでくれる。訪問者は、映画に使われたセットや美術、オリジナルの衣装を間近に見て、スクリーンの中の世界と出会い直す。

房総には里山を中心に豊かな自然が残り、時間の堆積を感じさせる風景がある。伴田はそこを「映画的なロケーションの宝庫」と捉えている。日々の散策で目にする景色、出会う人々、森の動物や植物。その一つひとつが、作品や映画へとつながっていく。

3作目の長編映画『赤い自転車』では、大多喜に残る昭和の郵便局の建物を舞台として使用した。現在は花屋となっているこの場所に加え、薬草園蒸溜所mitosayaも制作に協力。そこで暮らす犬のムギも映画に登場する。身近な場所や日常の出会いが、映画の世界を形づくっている。

「人生は24時間ロケハン」。この言葉には、暮らしと創作が自然につながる伴田の姿勢が表れている。映画のために風景を探す時間だけでなく、何気なく歩くときも、目の前の光景が次の場面や作品のきっかけになる。

アトリエには、大型の屏風や襖絵、陶や鉄の作品などが置かれている。イギリスやシンガポールなどから訪れた人々を迎え、時間があれば、伴田自身が映画の舞台となった森や古代遺跡へ案内する。笠森観音、長柄の横穴式古墳、大多喜や夷隅。作品を生んだ土地をともに歩くことも、訪問者との交流になっている。

『赤い自転車』の制作を支えたクラウドファンディングは終了した。プロジェクトページには、作品の概要や出演者、制作の歩みが記録されている。房総の風景と人々から生まれた映画は、こうした多くの出会いと支えにも結ばれている。

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