**新作長編映画「赤い自転車」(2025年公開予定)
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RYOSUKE HANDA
Film Director Author Artist
j
映画監督・美術家
伴田良輔
フィルモグラフィー
Ryosuke Handa
Born in Kyoto Japan. As an author he has written many books since 1990 ,on art, photography, and novels , picture books, essays. In 2012 he directed a short film Alicematonika(15min.).
In 2022 he directed a feature film Forest Island (48min.) which won many best feature awards and best director awards in the international film festivals. In 2023 he directed a new feature film Passacaglia(64min.) . He is also active as an artist by the name of Ugetsu .In his films Ugetsu's artworks are featured in the important scenes.
NEW FILM
「道 パッサカリア」 Passacaglia
予告編 PASSACAGLIA Trailer
「道 パッサカリア」
監督 原作 脚本 伴田良輔
「森へisland」(2022)で多くの海外アート系映画賞に輝いた伴田良輔が監督した長編最新作です。水底に沈んだ失われた風景をめぐる伴田良輔独自のマジックリアリズム作品。日本の原風景の中に、T.S.エリオット、ルイス・キャロル、アンデルセンからのインスピレーションが埋め込まれ、多言語が行き交う。
音楽
山中透(dumb type) 藤井斉子 Steve Marsh 代官山王国
出演
ディエゴ・マルティーナ 藤井琴野
針山愛美 ネリア・イワノワ スヴェトラーナ・シュリヒター ソフィア・シェイコ
最上和子 多治見智高 藤井琢也 祖父江太丞
izuma 大野あんり 水木かな 他
撮影
飯田将茂 勝山幹也
伴田良輔 佐藤えりか
中村照雄(Drone)
64分カラー
製作 SPINOR
プロデュース Produced by MOTIF (Yoshiko Kanazawa)
文化庁AFF2
映倫番号123877
AWARDS
Rotterdam Independent Film Festival./Best Narrative Feature
Berlin International Art Film Festival / Best Narrative Feature
8 & Halfilm Awards/ Best Director/Best Soundtrack/ Best Actor/ Best Poetic Cinematographer
Paris cine festa/ Best International Narrative Feature
Frida Film Festival/ Best Director /Best Feature Film
Tront Film Award./selection
Tagore International Film Festival Honorary Award
Switzerland Film Fest & Screenplay Competition/ Best Narrative Feature
Swedish Academy of Motion Picture Award/ Best Narrative Feature
The Dreamers Film Festival/ Best Narratibe Feature/Best Director
New Cinema Festival/ Best Narrative Feature
Berlin Women Cinema Festival /Best Producer
「森へ island」(2022)
映画『森へ island』 2022年10月公開
監督 伴田良輔
脚本 伴田良輔
【出演】最上和子 pere jovanov 金景雲 ヒロオハラ
【音楽】山中透(dumb type) 藤井斉子 Fuwa+Napa(不破大輔、田所大輔) RH
【美術】有月
【撮影】飯田将茂 佐藤えりか 伴田良輔
【編集】佐藤えりか 伴田良輔
【映倫番号 123213】
【製作】MOTIF 金沢叔子
【監修】SPINOR
48分 カラー
Forest Island
Directed by Ryosuke Handa
Story: Ryosuke handa
Cast : Kazuko Mogami Keiun Kin Pere Jpvanov Hiro Ohara
Camera: Masashige Iida. Erika Sato Ryosuke Handa
Music: Toru Yamanaka Saiko Fujii
Daisuke Fuwa Daisuke Tadokoro r.h.
Art: Ugetsu
Editor: Ryosuke Handa Erika Sato
Producer: Yoshiko Kanazawa
Superviser:Spinor
48mun.
2022
In the midst of World War II, a young soldier escapes from an enemy plane that has crashed in the Boso Peninsula. A woman who lives in an isolated cottage in the forest rescued the injured man. The ghost of her dead son wanders in the forest around his mother's cottage with a kettle to draw water, but only birds can see the ghost, not the mother.
Foest Island
LWI FILM FESTIVAL (イギリス)review
世界映画の閉鎖空間の中から抜け出し、伴田良輔は「森へ island 」という物語によって、人間精神の脆さと自然の叫び声が交錯した豊かな洞察をわれわれに明らかにした。
小津映画の生と死の黙想を彷彿とさせながら、伴田は私たちを房総半島の中央へ、静かなる嵐の旅へと連れて行く。そこでは木々のざわめきが、登場人物の心臓の鼓動と同期している。
第二次世界大戦の騒乱の背後に設定されたこの感動的な作品は、戦争の轟音と自然の静けさを対照的に提示し、手作りのチェロによるバッハの哀愁漂う旋律によってそれが増幅していく。この映画は、タルコフスキーの作品「鏡」に似て、亡霊が観客を惹きつけ、記憶と旋律の一体化がカタルシスをもたらす。
母親役の最上和子には、「東京物語」の女優原節子を思い浮かべるような感動的な深さがある。希望と喪失、死んだ息子との痛みに満ちた超自然的な繋がりを、ニュアンスのある演技で表現している。負傷兵役のペレ・ジョバノフはチェロの演奏によって痛みと安寧を表現し、死んだ母親の息子の記憶と自身の記憶を交錯させる。金景雲の樹木の魂のダンスは戦争の悲しみをたたえた森をたちあがらせ、宮崎駿の「もののけ姫」における森の精霊を思い起こさせる。
シェイクスピア作品のように歩き回る幽霊は、果たされなかったチェロ演奏への哀歌にも聞こえる音を立てるヤカンを手に持っており、母親が遠くから聞こえるそのヤカンの音に気づく場面は、とらえようとしても捉えられない永遠が描かれる。
伴田良輔の前作「アリスマトニカ」(2012)は、単なる現実以上の領域を探求する伴田の能力を示唆しており、「森へisland」でそれを実現させている。山中透、藤井斉子、不破大輔、田所大輔による音楽は、風が木々をかすめるように、とぎれることなく寄り添っている。。
映画の色彩は、緑豊かな森とコテージの壁の色調の繊細なバランスでなりたち、ウォン・カーウァイの「花様年華」にも似た哀愁を呼び起こす。カメラは現代のシネマトグラフィの鮮明さを持ちながらも。日本の豊かな映画史へのオマージュとしての古典的な魅力も保っている。
饒舌な視覚効果に溢れる映画の時代において、「森へ island」は抑制と持続の力を示している。伴田は、人物の声だけでなく沈黙に耳を傾けるように私たちを誘う。彼自身がいうように、彼は自然そのものの声を聞こうと努力し、人間の向こうに目をむけている。最後には、私たちは自然の壮大な物語の単なる訪問者なのか、その永遠の交響曲の積極的な参加者なのかを考え込まされる。
「森へisland」は、単なる映画ではなく、詩的誘惑、黙想、自然、記憶、音楽が交錯した祝祭的な空間である。情熱と繊細さによって、映画が何を達成できるかの見本である。エンドロールクレジットが流れると、深い省察の重みと映画的知性の軽やかさを同時に感じることだろう。
FOREST ISLAND
review of LONELY WOLF INTERNATIONAL FILM FESTIVAL
In the dimly lit echo chambers of global cinema, Ryosuke Handa unveils the timeless tale of FOREST ISLAND a delicate introspection into the fragility of human spirit, entwined with nature's perennial evocations.
With undertones reminiscent of Ozu’s quiet meditations on life and death, Handa escorts us on a serenely tempestuous voyage into the heart of the Boso Peninsula, where the whispers of leaves synchronize with the heartbeats of its characters.
An evocative piece set in the tumultuous backdrop of World War II, the narrative juxtaposes the thunder of war with the silence of nature, amplified only by Bach's mournful notes from a hand-made cello. The film, much like Tarkovsky’s *The Mirror*, engages the audience in a psychoanalytic exploration of the past's haunting, an embodiment of memory and music as catharsis.
Mogami’s portrayal of the mother brings to mind the poignant depth of Setsuko Hara in *Tokyo Story*. She imbues her character with a subtleness, wrestling with grief, hope, and the ethereal tethering to her lost son. Pere Jovanov, as the wounded soldier, articulates pain and solace through the strings of his cello, becoming a conduit of both his own memories and those of the mother's departed son. The forest, alive with Keiun Kim’s portrayal of tree spirits, adds an ethereal layer to this intricate tapestry, playing silent witness to the sorrows of war, reminiscent of the forest spirits in Miyazaki’s *Princess Mononoke*.
The ghost, an almost Shakespearean chorus, carries with him a kettle, a symbol of his unfulfilled purpose, echoing the mournful lament of the cello. In a scene where the mother hears the kettle's distant resonance, we're reminded of the unspoken words and lingering emotions that often hang in the air, forever awaiting acknowledgment.
Handa’s prior venture, "Alicematonika", hinted at his capacity to traverse realms beyond mere realism, and with forest island, he perfects this dalliance with the ethereal. The sound scores, curated meticulously by Yamanaka, Fujii, Fuwa, and Tadokoro, become characters themselves, weaving seamlessly through the narrative, much like the wind rustling through the trees.
The film's color palette, a delicate balance between the verdant forest and the earth-toned interiors of the cottage, evokes a melancholy synonymous with Wong Kar-wai’s *In the Mood for Love*. The digital cinematography captures the serenity of the forest with the sharpness of contemporary cinematography, yet maintaining an old-world charm, an ode to Japan's rich celluloid history.
In a world inundated with visual narratives, FOREST ISLAND stands as a testament to the enduring power of subtlety. Handa beckons us to listen not just to the voices of the characters but to the silences they inhabit. As he eloquently states, he attempts to hear the voices of nature itself, transcending the human. By the end, we're left wondering whether we are mere visitors in nature's grand narrative or active participants in its eternal symphony.
In conclusion FOREST ISLAND is not merely a film; it is a poetic invitation, a meditation, and a celebration of the interplay between nature, memory, and music. It serves as an exemplar of what cinema, when rendered with passion and precision, can achieve. As the credits roll, one feels both a weight of profound reflection and the levity of having borne witness to cinematic brilliance.
Grade: A*
SLIFF映画賞(スペイン) 審査員評
伴田良輔の『森へisland』は、自然と人間のシンプルな動きによって構築された、信じがたい映像作品だ。
深みと繊細さを生み出す鮮やかなショットに満ちており、簡潔で力強い物語が展開する。 従来の映画のアプローチからみると「森へisland」の筋書きは直線的ではない。ストーリーよりも、自然の背後にある豊穣な感情、意味、相互作用を捉えている。自然こそが映画の登場人物となり、独自の物語を紡いでいく。このようなアプローチは近年ではほとんどみかけなくなり、この映画を時代を超越した作品にしている。
Watch Out international Film Festival
最優秀映画賞 レビュー
伴田良輔の脚本・監督によるFOREST ISLANDは、戦争、悲しみ、音楽の力というテーマが交差した、心に残る感動的な映画である。第二次世界大戦の混乱のさなか、飛行機事故で生き残った若い兵士が、房総半島の森の奥にある人里離れた家に住む女性に助けられる。彼らの人生が絡み合いながら、この映画は音楽の力、そして生者と死者の間の切れることのない絆を探求している。
伴田良輔の演出は観客を森の幻想的な美しさに引き込み、登場人物たちの心の旅を反映する神秘的な雰囲気を作り出す。視覚的構成は見事で、豊かな自然と戦争で荒廃した周囲の荒涼とした環境を捉えている。森を徘徊する息子の亡霊の存在感と周囲の静寂が、カメラに呼び起こされている。
FOREST ISLANDの演技は格別で、最上和子が悲しみにくれる母親を見事に演じている。彼女の繊細な演技は悲しみの深さを感じさせ、観客に共感と想像力を喚起する。負傷した兵士を演じるペレ・ジョバノフは、傷つきやすさとそこから立ち直っていく姿、身体的および精神的苦痛を巧みに表現している。
この映画の中心的なモチーフである手作りのチェロは、喪失と希望の両方を象徴している。このチェロは母親の亡くなった息子が作ったもので、兵士が演奏しはじめると、それは癒しとカタルシスをもたらす器となる。兵士は手を負傷しているにもかかわらず、バッハの無伴奏チェロ組曲第 3 番の演奏に慰めと救いを見出す。この曲が映画の感情的なビートを美しく強調し、登場人物の経験の深さを増幅させる。FOREST ISLANDは超自然の領域を掘り下げ、母親には見えない鳥、亡くなった息子の幽霊を描く。この幻想的な存在は、生と死の境界、愛する者たちの永続するつながりを探求し、物語にさらなる神秘性を加えている。
FOREST ISLANDでは伴田良輔監督のビジョンが光り、彼の熟練したストーリーテリングと観客に深い感情を呼び起こす能力が実証されている。この映画のテンポは意図的で、戦争と喪失の根底にある緊張が水面下でくすぶっている一方で、静かに内省する瞬間が息づいていることをあらわしている。作家としての伴田良輔の経歴が、超自然的な要素と人間ドラマのバランスがとれたこの映画の吟味された物語構成に、明らかに見て取れる。
山中透、藤井斉子、不破大介、田所大介が作曲した音楽は、映画に圧倒的な雰囲気を加えている。音楽が映像と演技を見事に補完し、重要なシーンの感情的な高まりに貢献している。音響デザインも注目に値し、自然の音の繊細なニュアンスを捉え、聴衆をこの映画の描く世界に深く没入させている。
FOREST ISLANDは、戦争の永続的な影響と、音楽とのつながりを通じた癒しの可能性を探求した深くて感動的な映画である。
演出は見事で、クレジットロールが終わった後も感動が長く残る忘れられない幻想的な雰囲気を作り出している。並外れたパフォーマンス、刺激的な撮影、魅力的な音楽を備えたこの映画は、芸術の力と私たち全員を繋ぐ永続的な絆を呼び覚ます、心震えるような映画体験を与えてくれる。
「森へisland」
海外受賞リスト (2024年2月現在)
ルイス・ブニュエル記念映画賞 長編最高賞 監督賞 音楽賞
ヨーロッピアン・シネマトグラフィー・アワード 最優秀監督賞
第4回アルフレッド・ヒッチコック賞 最優秀長編賞 最優秀監督賞
WATCHOUT 国際映画祭(アメリカ)最優秀映画賞
ローマ国際映画賞(イタリア) 長編最高賞
オーソン・ウエルズ・インパリス オリジナル長編作品賞
タゴール国際映画祭 最優秀作品賞
イスタンブール映画賞(トルコ) 映画美術賞
8&Half映画賞 長編最高賞(イタリア)
SWEET DEMOCRACY映画賞(イタリア)長編映画最高賞
ドバイ映画ウイーク 長編映画最高賞
ニューヨークネオリアリズム映画賞 長編最高賞、音楽賞
スタンリー映画賞(イギリス)長編最高賞、最優秀監督賞
フィレンツエ国際映画賞(イタリア) 長編作品銀賞
黄金の鳩賞 ベストプロデューサー賞
Knight of the Reel Awards 審査員賞
シドニー・フィルム&スクリプト映画賞(オーストラリア)長編最高賞
CULT JURY FILM FEST 長編最高賞
CINESIS インディペンデント映画祭 長編3位
WSxAインターナショナルPARIS(フランス) ファイナリスト
第76回サレルノ国際映画祭(イタリア)公式招待作品
Berlin Women Cinema Festival(ドイツ)プロデューサー賞
あらわれる映画 伴田良輔
映画は、そこにあるもの=imageの記録や再構成ではなく、emerge =あらわれるものだと思う。生起するもの、あらわれてくるもの。これを捉えるか捉えないかで、映画といっても、まったく別のものになってくる。もはや別の表現といってもいい。脚本、監督、美術をすべて担当することのできたこの作品で、じっくりと、ある意味では戦略的に“emergeする映画”にとりかかった。
映画「森へisland」は監督した2作目の映画になる。1作目は2011年、15分の短「ALICEMATONIKA」で、今回の「森へisland」と共通するモチーフがいくつか入っているので、いずれ「森へisland」との併映の機会をつくりたいと思っている。「森へisland」には、日々ロケハンしていた房総半島のあちこちの場所が登場する。その多くは森や野原だが、遺構や遺跡が放つざわめきにも耳を澄ませた。蜂や鳥や草や樹木といった生命あるものだけでなく、水や岩や風の気配を捉えることだった。森とはそうした生命と非生命の総体なのだ。ドイツの生物哲学者ユクスキュルは 「環世界」という言葉で,、生物の目でみた世界が、人の視野とはまったくちがった様相でありそれもまた世界の表象であると主張している。子供の頃に丹後半島の森で蝶や鳥を追いかけて遊びながら同じようなことを漠然と感じていた。「人間原理」などの宇宙論に見え隠れする人間中心主義の視点に、ぼくはいつも疑問を抱いてきた。人がいなくても世界はそこにあるのだ。
終戦間近の房総半島には米空軍の爆撃機が頻繁に飛来しはじめていた。その飛行経路の真下にあった村の住人の恐怖感はどれほどのものであったのだろうと、まさにその半島に住み想像をめぐらしたことがこの映画のベースになった。戦時、戦闘機を上空から隠すためのコンクリートの掩体壕(えんたいごう)と呼ばれるドーム型の遺構も登場させた。ドキュメントでも戦争映画でもないものができるはずだと思った。
撮影方法としては固定した水平移動アングルを基本としたがドローン撮影とストップモーション撮影を何箇所かで使っている。ストップモーションはもともと大好きで1985年に冬樹社から上梓した「独身者の科学」では、写真家エドワード・マイブリッジの連続撮影のコマをページごとに配置して「人物が動く本」という実験をした。パラパラ写真と本のテクストの合体である。そもそも本のページのめくられる動き、それがすでに映画なのである。
出演者として、唯一無二の原初舞踏を実践する最上和子の佇まいに一眼で惹かれ、戦死した息子の母親役をお願いした。農道を俯き加減に歩く姿、息子の部屋で帽子を抱きしめる姿、切り株に座り遠くを見つめる目、その視線と動作のみから台詞を超えて深々と伝わるものがあり、最上和子なくしてこの映画はなかっただろう。負傷した兵士を演じたペレ・ジョヴァノフが演奏するのはバッハの無伴奏チェロ組曲第3番サラバンドだ。ー刻一刻と魂の赴くままに即興で動いていく金景雲の踊りと背後の雲は一体となった。巨大な樹木の根が回転する映像は、実験的なドーム映像作品で知られている飯田将茂によるもので、不気味な生命体のようなの樹塊が、この映画の最奥部へと誘ってくれる。負傷した兵士が息を吹き返すまでの屏風の金色のディテールは、空襲に焼かれる東京の焦土にも見えてきて、自分が描いた屏風でありながら編集中に何度も鳥肌がたった。
この場面の圧倒的な力を持つ音楽は伝説のパフォーミングアーティスト集団ダムタイプの音楽監督山中透の作品である。さらには田所大輔+不破大輔(fuwa+napa)によるオリジナル、ピアニストの藤井斉子によるテーマ楽曲と卵と蓮の水滴のダンスと、それぞれがそれぞれの場面にあらかじめ決められていたかのように、まるでジグソーパズルのピースのようにはまっていった。
「森へisland」に寄せられたコメント
一瞬一瞬が美しい
村山久美子
(舞踊評論家)
比類のない映像。伴田作品の完成形
梶野 聡
(神経心理学者)
こんな映画が日本で見られるというのはとても贅沢なことだ
百頭花
(画家)
時空を超えていく作品
ディエゴ・マルティーナ
(作家)
タルコフスキー作品以外、ここまでの純度を保つ映画を知らなかった
山本達哉
かたちに取り憑かれるセンスに感服
岡美里
(美術作家)
シベリアから飛んできた1羽の小鳥が、人の手、やかん、チェロ、
メトロノームに順次とまるとしたら。それ以上の物語はいらない。時はただ音楽に満たされ、花はまばたきのようにひらく。
管啓次郎
(詩人)
原初の映画のあり方が懐かしい新しさとなって心に定着した。
永田 陽介
(映画監督)
人と自然が向き合う時間を美しく刻み込む映画
志賀 信夫
(批評家)
伴田良輔の映像感覚を圧縮した濃厚さ
田島 健治
(映像作家)
他に類を見ない実験的作品
石原忍
(音楽プロデューサー 歯科医)
人間という存在の小ささと愚かさを慈しみ包み込む
楠見 清
(元「美術手帖」編集長)
美しい房総の森の映像……と思っていると、冒頭に掩体壕(えんたいごう)が映されて、二重三重の記憶が森の映像の向こうから現れる。それらを超えて、
小さな体でユーラシアを渡ってくるジョウビタキの飛翔が、
映像の比喩を越えて見る者の心に直に飛び込んでくる。
母の役の最上和子さんの好演が
深く心に降りてきた。
石黒敦彦
(アート&サイエンス研究者、詩人)
48分の中編でしたが、見応えがありすぎて90分くらいに感じ、終わった後は茫然自失。美しいと同時に鋭く研いだナイフのような映画だと思った。伴田さんの生きてきた軌跡がすべて詰め込まれていると思った。舞踏家の最上和子さんの存在感も半端なく、これは今年観た中でまちがいなく1番。
アオノミサコ
(イラストレーター)
プロジェクト名
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